絵が描けない苦しさの正体はコレだった。無意識の7つの思い込みとは?

画家活動


「絵を描くのがしんどい…」

そう感じることはありませんか?

描きたい気持ちはあるのに、どうにも筆が進まない。
なにを描いてもしっくりこない。
完璧主義になりすぎている気がする。

そんなとき、無理して描こうとすればするほど、空回りしてしまうことがあります。

絵が苦しくなる理由は、「自分の中にある思い込み」が原因かもしれません。


今回は、私自身も何度も経験してきた「絵を描くのが苦しくなる無意識の思い込み」を7つ、ご紹介します。

絵を描くのが苦しいときの思い込み7つ紹介します。

絵を描くのが苦しく感じるときは、以下の思い込みが隠れているかもしれません。

一つずつお話していきます。


①「いい絵を描かないといけない」


「いい絵を描かないと…」という気持ちが常にありました。

一見向上心があっていいようにも思えるけれど、実はこれがけっこうなプレッシャーになります。


いい絵とはどのような絵なのか

これはそもそも自分ではなかなか判断しにくい部分です。

自分ではあまりよく描けなかった作品が他の人から見ると、すごく惹かれる絵だったりすることもあるからです。

ただ、自分では納得できる作品を毎回作りたいという思いがあるのですよね…

でも、それがあまりに強すぎると、思うように描けないときにつらくなります。



そんなときは「いい絵にこだわりすぎていたかも」と一旦気づいて、じゃあ「この絵ではこの部分を描きこむことだけ意識してみよう」というように視点を少し変えて制作に向かってみる。

すると、一つのことに向かいやすくなり、自分の成長も感じやすくなります。





②「絵は毎日描いたほうがいい」


「絵の上達には毎日コツコツ描くことが大切」

そう言われることもよくあります。

たしかに続けることは力になるし、大切なことだと思います。

でも、疲れているときや身体の不調があるときは無理に描こうとすると、なかなか思うように描けないものです。

なので、描けるときに描いて、描けないときは無理しない

これでメリハリが生まれて、描けない日には別のことができるので気分転換をしたり、他のことに時間を使う。

意外と、絵を描く以外の時間が絵のアイデアにつながったりもするのですよね。

たとえば、ボーっと映画を観ていて、ふとこの街並みの色合いがいいなとか、このお菓子かわいいなとか思ったり。

それが無意識のうちに絵のインスピレーションになったりもするので、描けない時期はいろんなものに触れておくのはいいと思います。


▶気が散って絵が進まないときは、絵描きが集中して絵を描く方法!【ポモドーロ・テクニックで制作がはかどる】で絵に集中するヒントを書いています。





③「完成度が足りてないから見せられない」


クオリティーの高い作品でないと、外には出せない。

そう思って、部屋の隅にしまい込んでいる作品はありませんか。

自分で納得していないものを人に見てもらうのには抵抗があるかもしれませんが、そこで得られる気づきも多かったりします。

私はこの絵はまだまだだなと思っても、人に見てもらうと「これでもう十分だよ」「この部分がいいね」「この技法を試してみると面白いかも」などフィードバックをもらえたりもします。

自分ではイマイチでも、とりあえず外に出してみるのは新しい発見があるものです。

誰かの作品をみて、「この絵は色がすごくいいな」とか思ったりしませんか。

その作品がたとえ途中経過だとしても感じるものはあるのですよね。

なので、とりあえず外に出してみるのは大事かもしれません。





④「絵には何か伝えるものがあったほうがいい」


この絵で何を伝えたいの?

そんな言葉にドキッとしたことはありませんか。

私は過去に何度もありました。。


大学生の頃、先生に「このモチーフを描く理由は何?」「どうしてこの部分にこれを描いたの?」「この色を使う意味はどんなもの?」など「なぜ」をよく聞かれました。


私はいつも感覚で絵を描いていたのでなんとなくこうしました、と答えるしかできなくて。。

でも当時、理由や意味を問いかけることがなぜ大事なのかは、絵に説得力が出てくるからだと学びました。

それはどんな絵を描きたいのか、見る人に何を感じてもらいたいのかを掘り下げるのに必要な部分だからだと思います。

しかし、理由や意味に縛られすぎて自由に描けなくなるのも苦しいものです。

描いていてワクワクして、なんとなく描いた形、色、模様がとても魅力的に見えている。

これだけで十分で、むしろ見る人は自分自身の心と照らし合わせて、自由に感じて受け取ってくれます。


本当の自分らしさはどんな絵を描いても残るものだと思うので、完成した絵から探っていくのも面白い方法なのではと思います。





⑤「売れ絵を描かないと…」


展示会などで販売を前提にして制作をしていると「売れる絵を描かかないと…」という思考になりがちです。

もちろん、自分の中で売れる絵の共通点について考えてみたり、見る人がより楽しめる作品を作ることはとても大切なことだと思います。

でも、売れないと意味がないという思い込みに縛られると、絵を描くのが苦しくなりがちです。


ベテランの画家さんやギャラリーの方がよく話されていることにこんな言葉がありました。

自分の描きたい絵を描いたらいい」「売れなくても気にしなくていい」「あなたの絵が好きな人は必ずどこかにいる」というものです。

本当に見ていて面白くて心惹かれる作品にはその作家さんの個性が溢れています。

「あぁ、描きたいものを描いていて、描くのが楽しいのだろうな」というのが伝わってきます。

自分らしい絵を描くことが大切だということなのかもしれません。

私の場合は、絵の中にどこかファンタジー要素がないとワクワクしません。

また、色彩の豊かさも自分が描いていて心惹かれる要素です。

なので、絵を描くときはこの2つは特に大切にしています。

その上で、見る人の感想などを聞きながら絵の構成などを考えていく方向性で作品をつくっていくのがいいのかなと思っています。




⑥「自分の作風で描くべき」


パッと見て○○さんの絵だとわかる。

作風に統一感があり、独自の世界観がある画家さんに憧れる。

自分もそういうふうに作風を作りたいけど、まだイマイチ統一感がないんだよね。

こんな悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。


私も描きながら自分の作風を模索しているところです。

でも、どんな絵を描いていてもその人らしい雰囲気や色使いは現れているのではないかなとも感じます。


これは自分に合う画材を見つけることやその画材でできる技法や表現のしかたを試しながら制作していくこと、自分自身を掘り下げて向き合うことなどが必要なのだと思います。

作風や世界観づくりは、簡単に作れるものではなかったりします。

楽しみながら徐々に自分だけの独創的な世界を描けるようになれたらいいですよね。

▶私が実際にやっている方法を何を描けばいいかわからない人へ。オリジナルの世界観を見つける方法【絵描きさん向け】でお話していますので、よかったらご覧ください。





⑦「絵は評価されたほうがいい」


「人に見てもらって評価されなければ意味がない」

日々制作していると、そんな気持ちになることもあるかもしれません。


とくにSNSに投稿したり、展示会に出していると、どうしても反応が気になってしまうものです。


でも、絵は本当に好みがわかれるものだし、同じ絵を見てもどう感じるかは人それぞれなのですよね。


なので自分のやりたいことや作品づくりのコンセプトの部分は変えずに、他の部分でフィードバックがあれば取り入れてみるという考え方がいいのかなと思っています。


作品をいろんな人に見て頂くと、こんな見方もあったのかと新鮮な視点をもらえたり、こんなふうに感じて楽しんでくれる人もいるのかと新しい気づきを得られたりもします。


それが次の絵を描くときにつながることもよくあります。

たとえば「赤い絵が特にいいですね」と言われたら、次の絵には赤を使った絵でバリエーションを増やしてみたり、「今度、フクロウを描いてみては?」という意見をいただいたら、フクロウを題材に描いてみる。

すると、絵に変化が生まれてより表現の幅が広がったりもします。




おわりに:苦しいときは、思い込みが原因かも

絵を描くのが苦しいときはどこかに自分を縛る思い込みが隠れているのかもしれません。

そんなときは、「なぜ絵を描くのがしんどいのか」「どうしたら楽しくなりそうか」そう静かに問いかけてみることがおすすめです。

自分の中にある思い込みに気づくだけでも、少しずつ気持ちは変わっていきます。

描けないときは、紙にでも書き出しながら自分と向き合ってみると気づくことがきっとあると思います。

まずは小さなことから気軽に試してみてください。

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