
こんにちは。繊細な心の絵描き、まゆ(@mayu_artgram)です。
「なんとなく、幻想的な世界を描いてみたい」
そんな気持ちになったことはありませんか?
現実には存在しないけれど、どこか気になって心に残るような絵。
それが「幻想的な絵」の魅力です。
この記事では、幻想的な絵の特徴や描き方、そして私自身の制作体験を交えて、お話していきたいと思います。
幻想的な絵とは何か?その魅力と特徴

幻想的な絵と聞いて、どんな風景を思い浮かべますか?
雲の中に浮かぶ街、星空を歩く動物、どこか懐かしいけれど現実には存在しない風景……
それは、夢と現実の間にあるような、どこか不思議な世界です。
幻想的な絵には、見る人の想像力を引き出す「余白」があります。
たとえば、静かな森に灯る光、空を舞う生きもの。
それが何を意味するのかははっきりとはわからない。
だからこそ、自分だけの物語を自由に想像してみたりします。
そんな自由さも、幻想的な絵の魅力です。
また、色づかいも心惹かれるものがあります。
淡いパステルカラーや、柔らかく灯る光、透明感のあるブルーなど…
見たことがないのに、「こんな景色があったら素敵だな」と思わせてくれる。
美しいだけでなく、想像の世界へと誘ってくれる。
眺めていると心が癒されたり、日常の時間がふとゆるむような感覚になったりもします。
そんなところが幻想的な絵の魅力なのかなと思います。
幻想的な絵を描くコツと発想法

幻想的な絵を描きたいと思っても、「どう描いたらいいのか分からない」という方は多いかもしれません。
でも、ふと頭に浮かんだ空想のイメージや物語を大切にしてみると、それが絵のアイデアの元になることもよくあります。
◆モチーフの選び方:日常の中に「幻想の世界」を描くヒントがある
幻想的な絵には、空・雲・森・動物・星・月・光などが登場します。
これらは自然の中にある美しさで、幻想的な世界観にぴったりです。
たとえば、空を泳ぐクジラ、月に梯子をかけてのぼる小人、雲の上で休む生き物など。
少し幻想的でメルヘンっぽさがありますよね(笑)
自分の好きな生きものを空想上にアレンジしてみたり、どこか不思議な要素を取り入れてみると幻想的な世界観の絵につながりやすくなったりします。
◆発想のヒント:音楽・詩・記憶を頼ってみる
私はよく、自分の好きな曲を聴きながら絵を描いたりしています。
どこか不思議な世界観、異国を感じる曲などが多いのですが、描く絵もその音楽の影響が出ていたりもします。
音楽だけでなく、心に響く詩や小説の一節、記憶にある昔の風景、子どもの頃に好きだったもの。
それらはすべて、絵の題材になるし、自分らしい絵を描く大切な要素だったりします。
たとえば、「この曲が流れている世界の風景ってどんなもの?」「好きなものをいくつか組み合わせて絵にするとどうなる?」
そんな問いかけから、絵の発想に広がりが出てくることもあります。
◆色づかい:非現実的な色こそ幻想のカギ
幻想的な絵を描きたいと思ったとき、「現実にはあまり見かけない色合い」を意識してみるといいかもしれません。
たとえば、空の色を薄緑に、草原をピンクっぽい色にしてみたり…
非現実的な配色が加わることで、見る人はどこか不思議な空想世界のように感じます。
また、○○色(赤色、黄色など)とはいえないうまく言葉で表現できないような色を作ってみるのもいいかと思います。
私はアクリル絵具で絵を描いていますが、とくに色にこだわって描いています。
たとえば、下の色を赤系にして、その上から「くすみのあるグリーン」を重ねたりします。
水をあまり使わずに、ややかすれた感じで色をのせていくと、下の赤が完全に消えないのでなんともいえない色合いになったりするのです。
それを何層も重ねて塗ることで、空気感が一気に変わることもあるのでおすすめです。
◆あえて描かない勇気:余白と想像力
周りの空白が気になって、つい画面すべてを描きこもうとしてしまう。
私にはそんな傾向がありました。
絵の中に密度のある部分を作るのは見ごたえのある作品にするために大切なポイントでもあると思います。
でも、すべてを同じ手数で描いてしまうと、どこを見ていいのかわかりにくくなってしまうのです。
そこで大事なのが、描きすぎない部分をつくること。
これにより、見る人に「心地いい余白や空間」が生まれます。
あえて背景を曖昧にしたり、何も描かないことで観る人の想像力を引き立てることもできたりするんですよね。
◆おすすめの画材:アクリル・透明水彩・ソフトパステル
幻想的な絵を描きたいとき、以下の画材が試しやすいかと思います。
- アクリル絵の具: 速乾性と重ね塗りの自由度が高く、光や影の演出がしやすい
- 透明水彩: にじみと透明感で、幻想的な空気感を表現しやすい
- ソフトパステル: 柔らかな発色と指でのぼかしで、夢のような質感を出せる
どれかひとつに決めず、画材の特性を組み合わせて使うことで、自分だけの世界観が生まれます。
実際に描いてみた!幻想的な絵をイメージした作品

ここでは、私自身が描いた幻想的な雰囲気をイメージした一枚の絵をご紹介します。
タイトルは「ゾウと月」。
夜空に星が浮かんでいて、どこかの草原を静かに歩く明るいグリーンのゾウ。
ゾウもオリジナルキャラクターとして描いています。
◆なぜゾウを描いたのか
私にとってゾウという動物は、力強く、どこか穏やかで優しい存在。
このゾウは、「ライム」という名前で星屑を集めて研究しているゾウだったりします(笑)
今日もひとりで夜の散歩をしながら星屑集めに出かけています。
星が輝く夜に、ひとり静かに散歩をしているゾウはどこか自由さを感じる。
歩きながら流れ星がそっと降りそそぐ、心地よい空間。
ひとりの時間、好きな場所、そんな日常があることは幸せなこと、一呼吸置きたくなるような絵にしようかとぼんやり思っていました。
◆描きながら考えていたこと
制作中、私は「夜の静けさ」を大切にしました。
星空はにぎやかではなく、むしろ静寂の中できらめいている。
ゾウも足音を立てずにそっと静かに進むイメージ。
透明感のあるアクリル絵の具で深みのある夜空を意識しながら描いてみました。
草原には少しゴールドの絵の具をのせることで温かく華やかな感じも表現してみました。
◆見る人の反応
この作品を展示したとき、思いがけない反応をもらいました。
「空間がいいね」と言ってくれる方がけっこういらっしゃったのです。
私は、画面の下半分をパレットナイフで色をのせていたので、もしかしたらこの部分に描きこみをいれないことで、自然な余白になり窮屈になりすぎない印象になったのかなとも思いました。
まとめ:幻想的な絵は、心に触れるもうひとつの物語
幻想的な絵は、ただ美しいだけでなく、見る人の感情や記憶に寄り添うアートなのかもしれません。
現実と空想のあいだを旅するような表現は、「自分だけの物語」を感じさせてくれます。
モチーフや色づかいを工夫し、「こんな世界があったらいいな」という気持ちを形にすれば、誰でも幻想的な世界を描くことができます。
あなたの描く世界が、誰かの心をそっと癒す一枚になるかもしれません。
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