心が落ち着く絵を描くために私が大切にしている10のこと

画家活動



忙しく疲れやすい日々の中で、ふと「心が落ち着くような絵が描けたらいいな」と思うことはありませんか?


私は、昔から繊細な気質があり、心や体が敏感でストレスを感じやすい人間でした。

なので、これまで観る人を優しく包み込むような絵に惹かれることが多くありました。

また、自分が絵を描くときも心安らぐ絵を描くことを大切にしてきました。


今回は、そんな心が落ち着く絵を描きたい方に向けて、私が大切にしている10のことをご紹介します。




「心が落ち着く絵」を描こうと思ったきっかけ

アクリル絵具で描いた作品。145×145㎜


もともと、見ているだけでホッとするような絵が好きでした。


繊細な気質でメンタルも揺らぎやすかった私は、きっと絵を描くことで自分自身を癒していたのだと思います。

でも、「ホッとして落ち着けるような絵を描きたい」とはっきり思うようになったのは、学校の保健室で見た1枚の絵がきっかけでした。




10代の頃、慢性的なおなかの不調や不安で心がしんどかった時期、保健室にあったかわいらしい動物たちの絵を見て、心から安心したのです。

そのとき「絵には人の心を癒す力がある」と実感し、「自分もそんな絵を描きたい」と強く思いました。

また、卒業制作で作品を展示した際、「この絵、すきです」と声をかけてもらえたことも心に残っています。

誰かの心にほんのひとときでもやすらぎを届けられたことが、とても嬉しかったのです。

絵を見てどう感じるかは人それぞれですが、私は絵を通して「心地よさ」を届けたいと今では自然に思うようになりました。





心がホッとする、落ち着く絵を描くために大切にしていること

アクリル絵具で描いた作品。F3号サイズ。

ここから、心がホッとして落ち着く絵を描くために大切にしていることを紹介します。

全部で10個あります。一つずつお話していきますね。


① 自分にとっての安らぎを絵にする


まずは自分自身がやすらぎを感じるものを絵にすることを考えます。

やすらぎといってもいろいろありますよね。


花が風に揺れる様子に心地よさを感じる人もいるし、お茶の時間がホッとする人もいます。

自分が落ち着くなぁと感じる要素は何だろう

私の場合は、クジラが空を飛ぶようなメルヘンな風景や月明りに照らされる真夜中の草原などが浮かんできました。

そういった風景やイメージ、モチーフを思い浮かべて描くと、自然と絵の中に穏やかな雰囲気が生まれます。



② 好きなものを描く


大事なのは、好きなものはどんどん描くこと。

空想が好きなら頭の中のイメージを描く。植物が好きなら、花や木を描く。

自分の好きなものを描いていると気分がのるし、無意識に好きなものへ向けるプラスのエネルギーが込められるような気がします。

同じようなものが好きな人はきっとその絵に惹かれてしまう。


自分の中の純粋な好きを描くと、自然と愛情がこもるので癒されたりすることも多いです。




③ あたたかさをつくる


ホッとする絵にはどこか「あたたかさ」を感じます。

それはやわらかい色合いかもしれないし、温度を感じる光の表現かもしれない。

それは描くものによって変わるけれど、あたたかみのある絵には心をゆるませる力があると思います。


たとえば、夜の静かな景色なのだけど、オレンジ色の明かりが家々から灯っていて、どこかあたたかそうな感じがする、とかです。

あたたかさをつくる要素って何だろうと問いかけてみるといろんな発見がありそうですよね。




④ 心地よさを感じるモチーフを選ぶ


何を描くかも大切ですよね。

なかなか思い浮かばないときは、自分が心地よさを感じるモチーフを考えてみましょう。

たとえば、星空と大きな満月、肌触りのいいパジャマ、ふわふわの毛並みを持つ犬、わたあめのような雲など。

見ていると力がゆるみ、リラックスできるものを選んでみます。

それらをいくつか組み合わせて絵を描いてもいいですね。




⑤ 色合いを工夫する


私はとくに色合いにこだわって絵を描いています。

深い青のような寒色系の中に少しピンクを入れたり、ゴールドを入れてみる。

色のバランスや組み合わせはむずかしい部分がありますが、見ていて心が落ち着く心地よい絵には色の要素も深くかかわっているように思います。

水色と黄色の組み合わせは、なんとなくさわやかで夏をイメージして開放的な気分になれたり。。

自分がどんな色がすきなのか、どんな配色に惹かれるのかを知るために、ピンタレストなどでいろんな画像を見てみるといいかもしれません。






⑥ 空間感を意識する


自分では気づかなかったのですが、ある人が私の絵を見て「空間がいいよね」と言ってくれたことがありました。

その絵は下半分に具体的なモチーフを描かずに「余白」を残すことを試した絵でした。

私は手抜きに見えてしまうのではと思い、ついあちこち描きすぎてしまうところがありました。

でも、それがかえって窮屈さを感じてしまう原因にもなるかもと思いました。

メインになる部分は描きこんでもいいけれど、その他はあえてゆとりを持たせるほうが、観る人に心地よい空間を感じさせるのかもしれないですね。





⑦ ほっぺたをピンク色にする


私の絵には、よく登場人物や動物のほっぺにピンク色が入っています。

なんとなくほっぺが温かそうだと幸福感や健康そうな感じがするのですよね。

なんだかあたたかくて可愛らしい印象になるので、私の描くキャラクターにはほとんどピンク色をのせています。


⑧ 絵本のようなタッチで描く


絵本の絵には、見ていて安心できるホッとする要素が多いように思います。

子ども向けに作られる絵本は、どこか優しくあたたかみがあるのですよね。

私の場合は、もともとあまりリアルすぎない絵が好きなこともあり、すごく上手いというわけではないかもしれないけど、心に残る。

そんなタッチで描けたらいいなと思って描いています。




⑨ 表情を優しくする


絵の中にキャラクターを描くときは、なんとなく表情を柔らかい感じにすることを意識しています。

たとえば、目をの閉じて静けさに浸る様子とか、目を開けているときは瞳にハイライトを入れて輝いているように見せたり。

とくに目のやわらかさは大切だなと思っていて、表情一つで、絵全体の雰囲気が変わることを感じています。


⑩ 自然の要素を取り入れる


木や花、星や月…。

自然の中にあるものには、どこか人の心を落ち着ける力があると思っています。


だからこそ、私は絵の中に自然のモチーフを取り入れることが多いです。

部屋のテーブルの上に花を添えたり、空を飛んでいる風景を描いたり。。

絵の中にどこか一か所だけでも自然のモチーフを入れてみると穏やかな空気感が生まれるかもしれません。



おわりに

ホッとする絵を描きたいと思ったとき、まずは「自分の心がやすらぐ感覚」を大切にしてほしいなと思います。

いきなり上手に描こうする必要はなくて、この絵を描くことでどんな気持ちになれるのかを想像してみるといいかもしれません。

ホッとする絵といっても、人によって感じ方はそれぞれなので、ぜひ、自分の中にある「安心するもの」「やさしい世界」を探してみてください。

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